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AIが「退職証明書には退職理由を必ず書く」と答える2026|労基法22条の請求事項だけ記載、予告期間中の解雇理由証明、AIの誤りを見抜く5つの手順

AIに退職証明書を聞くと「退職理由は必ず記載する」「解雇理由証明は退職後のみ」と答えることがあります。労基法22条では請求した事項だけを書き、解雇理由は予告期間中も請求できます。誤りを見抜く5つの手順を解説します。

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「辞めた社員から退職証明書を求められた。退職理由は会社の判断で書いてよいか」とAIに聞くと、「退職証明書には退職理由を必ず記載します」と答えることがあります。「解雇理由証明書は、解雇の日が過ぎてからでないと請求できません」と続くこともあります。

どちらも条文と合いません。労働基準法第22条第1項の証明書に書く事項は、労働者が請求した事項だけです。第3項は、労働者の請求しない事項を記入してはならないと定めています。解雇の理由は、第2項により、解雇の予告がされた日から退職の日までの間にも請求できます。

この記事では、e-Gov法令検索で取得した第22条の条文をもとに、AIが取り違えやすい点と、AIに正しく答えさせる手順を解説します。

退職時の証明の基本ルール

項目条文の内容根拠
証明できる事項使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金、退職の事由(解雇の場合はその理由を含む)第22条第1項
交付の条件労働者が請求した場合に、遅滞なく交付する第22条第1項
予告期間中の請求解雇の予告がされた日から退職の日までの間に、解雇の理由の証明書を請求できる第22条第2項
予告期間中の例外予告後に解雇以外の事由で退職した場合、その退職の日以後は交付しなくてよい第22条第2項ただし書
記載の制限労働者の請求しない事項を記入してはならない第22条第3項
禁止される行為就業を妨げる目的で第三者と通信する、証明書に秘密の記号を記入する第22条第4項
違反した場合30万円以下の罰金(第1項〜第3項)第120条第1号

ポイントは、記載事項を会社ではなく労働者が選ぶことです。会社が「書いておいた方がよい」と考えた事項でも、請求がなければ書けません。

AIが取り違えやすい5つの点

1. 「退職理由は必ず記載する」と答える

第22条第1項の事項は「請求した場合」に証明するものです。第3項は、請求しない事項の記入を禁じています。たとえば「使用期間と業務の種類だけ証明してほしい」と請求されたら、退職の事由は書きません。転職先に解雇の事実を知られたくない社員もいるためです。

2. 「解雇理由証明書は退職後にしか請求できない」と答える

第2項は、解雇の予告がされた日から退職の日までの間の請求にも、遅滞なく交付するよう定めています。30日前に予告された社員は、在職中に解雇の理由を書面で確認できます。退職後の請求は、第1項の「退職の事由」として扱われます。

3. 「予告後に自己都合で辞めても交付義務は続く」と答える

第2項ただし書により、予告後に解雇以外の事由で退職した場合は、その退職の日以後は解雇の理由の証明書を交付しなくてよいとされています。ただし、第1項の退職証明書を請求されたら、こちらは交付が必要です。2つの証明書を混ぜて答えるAIは多いので注意してください。

4. 「退職証明書と離職票は同じもの」と答える

退職証明書は労働基準法第22条に基づき、会社が労働者に交付する書類です。離職票は雇用保険の手続きで使う書類で、会社の届出をもとにハローワークが交付します。根拠となる法律も、交付する者も異なります。どちらか一方を出せば他方が不要になる、という関係ではありません。

5. 「解雇理由は『就業規則違反』とだけ書けばよい」と答える

第1項は、退職の事由が解雇の場合に「その理由を含む」と定めています。解雇の理由を証明するのですから、就業規則のどの条項に、どの事実が当たるのかを具体的に書くのが基本です。抽象的な一言だけでは、請求した労働者が理由を確認できません。

具体例:3月31日付で解雇を予告した社員から請求があった場合

状況会社の対応
3月1日に予告し、3月10日に解雇理由の証明書を請求された遅滞なく交付する(第2項)
3月15日に本人が自己都合退職を申し出て、3月20日に退職した。その後に解雇理由の証明書を請求された交付しなくてよい(第2項ただし書)
上の社員から、退職後に「使用期間と賃金」の証明を請求されたその2項目を記載して交付する(第1項)
「業務の種類」だけ請求されたが、会社が退職理由も書き加えた不可(第3項違反)
証明書の余白に、同業他社だけが分かる印を付けた不可(第4項違反)

この表のとおり、同じ社員でも請求の時期と内容で対応が変わります。AIに聞くときは、予告日・退職日・請求日・請求事項の4つを必ず入力してください。

AIに正しく答えさせる5つの手順

手順1:条文をプロンプトに貼る

第22条第1項〜第4項をそのまま貼り、「この条文だけを根拠に答えてください」と指示します。e-Gov法令検索から最新の条文を取得できます。記憶だけで答えさせると、記載事項の制限が抜けやすくなります。

手順2:日付と請求事項を入力する

解雇予告日、退職日、請求日、退職の事由(解雇か、それ以外か)、請求された事項を入力します。答えはこの5つで変わります。

手順3:境界の5問でテストする

テスト正解
請求がない退職理由を書いてよいか書けない(第3項)
予告期間中に解雇理由の証明書を請求できるかできる(第2項)
予告後に自己都合で退職した後も解雇理由の証明は必要か不要(第2項ただし書)
退職証明書を出せば離職票は不要か不要にならない(別の制度)
交付を拒んだ場合の罰則は30万円以下の罰金(第120条第1号)

1問でも外れたら、そのプロンプトは使いません。

手順4:記載事項のチェック表を出させる

「事項」「請求の有無」「記載するか」の3列で表を出させます。請求が「無」なのに記載が「する」になっている行があれば誤りです。

手順5:最終判断は専門家に確認する

解雇の理由の書き方は、後の紛争で証拠になることがあります。AIの下書きはたたき台として使い、社会保険労務士や弁護士、労働基準監督署に確認してから交付してください。

まとめ

  • 退職証明書に書く事項は、労働者が請求した事項だけです(第22条第1項・第3項)。
  • 解雇の理由の証明書は、予告日から退職日までの間にも請求できます(第2項)。
  • 予告後に解雇以外の事由で退職した場合、その日以後は解雇理由の証明は不要です(第2項ただし書)。
  • 秘密の記号の記入や、就業を妨げる目的の通信は禁止です(第4項)。
  • 第1項〜第3項の違反は30万円以下の罰金です(第120条第1号)。

解雇予告の30日の数え方は解雇予告の記事で、退職の申し出の期限は退職の2週間ルールの記事で解説しています。

出典:労働基準法 第22条・第120条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)

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執筆・監修

AI Scout編集部

AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。

公開日: 2026年10月8日
最終更新: 2026年10月8日