AIが自己都合退職の給付制限を「2か月」と答える2026|2025年4月以降の離職は原則1か月・5年で3回目なら3か月・教育訓練で解除、取り違えないための5つの手順
AIに自己都合退職の失業手当を聞くと、給付制限は2か月と答えます。2025年4月1日以降の離職は原則1か月です。5年で3回目なら3か月、教育訓練で解除もあります。誤りやすい4つの点と5つの手順を解説します。
「自己都合で辞めると、失業手当は2か月待たないと出ません」。AIに聞くと、こう答えることがあります。しかし2025年4月1日以降の離職では、給付制限は原則1か月に短くなりました。
退職する社員から「いつから失業手当が出ますか」と聞かれるのは、人事の担当者です。離職票の離職理由も会社が書きます。この記事では、AIが給付制限で誤る4つの点と、正しく扱わせる5つの手順を説明します。
給付制限の基本ルール
| 項目 | 正しいルール | AIの誤り |
|---|---|---|
| 待期 | 受給資格決定日から通算7日。離職理由を問わない | 給付制限と混同する |
| 自己都合の給付制限 | 2025年4月1日以降の離職は原則1か月 | 2か月(2020年10月〜2025年3月のルール) |
| 繰り返しの自己都合 | 5年間に2回以上の自己都合離職があると、3回目以降は3か月 | 回数を考えない |
| 教育訓練の受講 | 離職前1年以内や離職後の受講で、給付制限が解除される | 例外を知らない |
| 重責解雇 | 自己の責めに帰すべき重大な理由の解雇は3か月 | 1か月と同じに扱う |
会社都合の離職や、正当な理由のある自己都合離職には、給付制限がありません。待期の7日だけです。
AIが取り違える4つの点
1. 給付制限を2か月と答える
最も多い誤りです。給付制限は、2020年10月に3か月から2か月へ短縮されました。さらに2025年4月から1か月になりました。AIの学習データには2か月の記事が多く残っているため、古いルールで答えます。
2. 離職日でなく申込日で新旧を判定する
1か月の対象かどうかは、離職日で決まります。2025年3月31日以前に辞めた人は、申込が4月以降でも旧ルールです。AIは「今は1か月」とだけ答え、起点の日付を確認しないことがあります。
3. 繰り返しの自己都合離職を見落とす
過去5年間に、正当な理由のない自己都合離職で2回以上給付制限を受けていると、3回目以降は3か月です。転職回数が多い社員には特に重要です。AIは一律に1か月と答えがちです。
4. 待期の7日を給付制限に含める
待期7日は給付制限とは別です。給付制限は待期が終わった翌日から数えます。AIは「1か月後から出る」と答え、7日分を飛ばすことがあります。
具体例1:離職日による期間の違い
2026年3月31日に自己都合で退職し、4月6日に求職の申込をした社員の例です。過去5年に給付制限を受けた離職はありません。
| 区分 | 正しい期間(1か月) | AIの答え(2か月) |
|---|---|---|
| 待期 | 4月6日〜4月12日 | 4月6日〜4月12日 |
| 給付制限 | 4月13日〜5月12日 | 4月13日〜6月12日 |
| 支給の対象となる最初の日 | 5月13日 | 6月13日 |
AIの答えでは、支給開始が1か月遅く伝わります。仮に基本手当日額が5,000円なら、約31日分で15万円強の見込みがずれます。社員は貯金の取り崩し計画を誤ります。
具体例2:同じ社員が3回目の自己都合離職だった場合
上の社員が、2022年と2024年にも自己都合で辞め、どちらも給付制限を受けていたとします。
| 条件 | 給付制限 |
|---|---|
| 過去5年の給付制限つき自己都合離職が0〜1回 | 1か月 |
| 過去5年に2回(今回が3回目) | 3か月(4月13日〜7月12日) |
| 離職前1年以内に対象の教育訓練を受講 | 給付制限なし |
同じ離職日でも、履歴と受講の有無で、支給開始は最大2か月以上変わります。AIに渡す情報が足りないと、正しい答えは出ません。
AIに正しく扱わせる5つの手順
手順1:改正日と判定の起点をプロンプトに書く
「2025年4月1日以降の離職は給付制限1か月。判定は離職日で行う。待期7日の翌日から数える」と明記します。AIの記憶に任せません。
手順2:判定に必要な4項目を必ず入力させる
離職日、離職理由、過去5年の自己都合離職の回数、教育訓練の受講の有無です。1つでも欠けていたら、AIに「判定できない」と返させます。
手順3:境界の4問でテストする
| テスト | 正解 |
|---|---|
| 2025年3月31日に自己都合で離職、4月に申込 | 2か月 |
| 2026年3月31日に自己都合で離職、初めての離職 | 1か月 |
| 5年で3回目の自己都合離職 | 3か月 |
| 会社都合の離職 | 給付制限なし(待期7日のみ) |
1問でも外れたら、そのプロンプトは使いません。
手順4:日付を列で出させる
「待期の期間」「給付制限の期間」「支給対象の最初の日」を日付で出させます。「約1か月後」のような答えでは、7日の抜けに気づけません。
手順5:離職理由の判断は人が確認する
正当な理由のある自己都合か、会社都合かの最終判断はハローワークが行います。育児や介護、通勤困難などの事情があれば、給付制限がかからないこともあります。社員には「最終判断はハローワーク」と添えて伝えます。
まとめ
- 2025年4月1日以降の自己都合離職は、給付制限が原則1か月
- 新旧の判定は申込日ではなく離職日で行う
- 5年間で3回目以降の自己都合離職は3か月
- 教育訓練の受講で給付制限が解除される場合がある
- 待期7日は別に数え、給付制限はその翌日から始まる
失業手当の説明にAIを使うときは、まず4問のテストから始めてください。個別の判断に迷う場合は、ハローワークや社会保険労務士に確認してください。
AI Scout編集部
AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。