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AIが「雇用契約書は勤務地と仕事内容を書けば足りる」と答える2026|2024年4月から変更の範囲・更新上限・無期転換の明示が必須、古いひな形を使わない5つの手順

AIに雇用契約書のひな形を作らせると、2024年4月改正前の内容を出すことがあります。今は就業場所・業務の「変更の範囲」、有期契約の更新上限、無期転換の申込機会と転換後の条件の明示が必要です。誤りやすい4点と5つの手順を解説します。

#AI活用#業務効率化#品質管理#プロンプト#人事#労務

「パート社員の雇用契約書をAIで作りました。勤務地と仕事内容は書いてあります」。このひな形は、2024年4月より前のルールのままかもしれません。AIは古いひな形を学習しているため、改正後に追加された項目を落としがちです。

2024年4月1日から、労働条件の明示ルールが変わりました。すべての労働者について、就業場所と業務の「変更の範囲」を書く必要があります。有期契約では更新上限と無期転換に関する明示も加わりました。この記事では、AIが取り違えやすい点と、正しいひな形を作らせる手順を解説します。

2024年4月に追加された明示事項の整理

対象追加された明示事項明示のタイミング
すべての労働者就業場所・業務の「変更の範囲」労働契約の締結時と有期契約の更新時
有期契約の労働者更新上限(通算契約期間または更新回数)の有無と内容有期契約の締結時と更新時
無期転換申込権が生じる労働者無期転換を申し込めること(申込機会)申込権が発生する更新のたび
無期転換申込権が生じる労働者無期転換後の労働条件申込権が発生する更新のたび

「変更の範囲」とは、雇い入れ直後だけでなく、将来の配置転換などの見込みを含めた、契約期間中に変わりうる範囲のことです。

AIが取り違えやすい4つの点

1. 「雇い入れ直後の勤務地と仕事内容だけ書けばよい」と答える

改正前はこれで足りました。今は「雇い入れ直後」に加え、「変更の範囲」も書きます。たとえば「雇入れ直後:本社営業部 変更の範囲:会社の定める事業所」のように2段で書きます。転勤や異動がない場合は、変更の範囲も「雇入れ直後と同じ」と分かるように書きます。

2. 「変更の範囲は正社員だけ」と答える

変更の範囲の明示は、パート・アルバイト・契約社員を含むすべての労働者が対象です。有期契約の場合は、契約を更新するたびに明示します。

3. 「更新上限は書かなくてもよい」と答える

有期契約で更新上限を設けるなら、その有無と内容(「通算5年まで」「更新は3回まで」など)を締結時と更新時に明示します。上限を後から新しく設ける場合や短くする場合は、その前にあらかじめ理由を説明することも求められています。

4. 「無期転換は本人が言ってきたときに説明すればよい」と答える

無期転換申込権が発生する更新のたびに、会社から「無期転換を申し込める」ことと「転換後の労働条件」を明示します。本人からの申し出を待つのではありません。申込権がいつ生じるかは、無期転換の記事で解説しています。

具体例:1年契約のパート社員の契約書

1年契約を更新しているパート社員について、AIが作った古いひな形と、改正後に必要な記載を比べます。

項目AIの古いひな形改正後に必要な記載
就業場所「〇〇店」のみ雇入れ直後:〇〇店/変更の範囲:〇〇店(変更なし)など
業務「販売業務」のみ雇入れ直後:販売業務/変更の範囲:販売・品出し業務など
更新上限記載なし有無と内容(例:通算契約期間5年まで、または上限なし)
無期転換記載なし申込権が生じる更新時に、申込機会と転換後の労働条件

会社が実務で気をつけたい点

変更の範囲を狭く書くと、その範囲を超える配置転換は難しくなります。逆に広く書きすぎると、実態と合わず採用時の誤解を招きます。今の人事運用に合う範囲を、部署ごとに決めておきます。

また、2024年4月からは求人広告や職業紹介でも、従事すべき業務・就業場所の変更の範囲などの明示が追加されています。求人票と契約書の内容がずれていないかもあわせて確認します。

AIに正しいひな形を作らせる5つの手順

手順1:改正後のルールをプロンプトに書く

「2024年4月施行の労働条件明示ルールに対応すること。就業場所・業務は雇入れ直後と変更の範囲の2段で書く。有期契約は更新上限の有無と内容を書く」と明記します。改正時期を書かないと、AIは古いひな形を出しやすくなります。

手順2:雇用形態と契約期間を入力する

「無期か有期か」「有期なら契約期間・更新回数・通算期間」を入力します。無期転換申込権が今回の更新で生じるかどうかで、必要な記載が変わるためです。

手順3:境界の4問でテストする

テスト正解
転勤のない正社員の契約書に変更の範囲は必要か必要(変更なしと分かるように書く)
週3日のアルバイトに変更の範囲は必要か必要(すべての労働者が対象)
有期契約の更新時に更新上限を書くか書く(締結時と更新時ごと)
無期転換申込権が生じる更新時に何を書くか申込機会と転換後の労働条件

1問でも外れたら、そのプロンプトは使いません。

手順4:項目のチェック表を出させる

ひな形と一緒に「明示事項」「記載の有無」「記載箇所」の表を出させます。変更の範囲・更新上限・無期転換の3行が空欄なら、古いルールで作られています。

手順5:公式のモデル様式と突き合わせる

最後に、厚生労働省が公開している労働条件通知書のモデル様式と項目を比べます。判断に迷う場合は、労働基準監督署か社会保険労務士に確認してください。

まとめ

  • 2024年4月から、すべての労働者に就業場所・業務の「変更の範囲」の明示が必要
  • パート・アルバイト・契約社員も対象で、有期契約は更新のたびに明示する
  • 有期契約は更新上限の有無と内容を、締結時と更新時に明示する
  • 無期転換申込権が生じる更新時は、申込機会と転換後の労働条件を明示する
  • AIには改正時期を書いて指示し、4問のテストとチェック表で確認する

雇用契約書の作成にAIを使うときは、まず4問のテストから始めてください。退職の申し出期限については退職2週間の記事で解説しています。

出典:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html)、労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条

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執筆・監修

AI Scout編集部

AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。

公開日: 2026年10月6日
最終更新: 2026年10月6日